
今回は高齢になると背中が曲がってしまう原因を紹介してきます。
支えがないとガイコツの標本が立たないように
筋肉が骨を支えているからこそ私たちは立っていられます。
しかし、「重力」に「抗う」筋力である抗重力筋が衰えると
真っすぐな姿勢を保つことが困難になり、猫背になってしまう方がいらっしゃるのです。
背骨は緩やかなS字カーブを描いて積み木のように並んでいるため猫背が続くと、やがて背骨全体にゆがみが生じます。
さらに、猫背に拍車をかけるのが、骨がもろくなってしまう
「骨粗しょう症」です。骨は古い骨を壊し、新しく再生させる新陳代謝をしていますが、女性の場合は閉経を境にして、骨の形成を促進する「エストロゲン」が欠乏し、つくるよりも壊すペースの方が早くなります。
それによって、次第に骨密度は低くなり、もろくなった骨が悪い姿勢によって圧迫される「圧迫骨折」が起きてしまいます。そして、圧迫骨折を放置しておくと、背中はどんどん湾曲するのです。
背骨は本来、S字のような滑らかなカーブを描いて積み重なっていますが、背中を丸めた状態を続けていると、背骨が大きく曲がり猫背になってしまいます。これは、高齢者のみに起こることではありませんが、高齢者の場合は「骨粗しょう症」の影響によって腰が曲がりやすいと言われています。
年齢を重ねると自然と骨密度が低下して骨はもろくなり、また、骨と骨の間にある軟骨が弱くなり変形しやすくなってしまいます。骨や骨の軟骨が圧迫に耐えられない状態になると、少し力が加わっただけでも骨がつぶれてしまいます。こういった圧迫骨折が重なると腰が大きく曲がったまま、もとに戻らなくなってしまうのです。